Do you want to learn English? Then, read this.

脳科学に基づかない英語についての勝手なアドバイス

お断り:私は脳と視覚の研究に携わってはいますが、英語に関してこのページやその他のページで書いている事は、脳科学とは全く関係ありません。あくまでも、自分が英語を習得してきた経験や他の人のやっていることの観察と考察だけにもとづいて言っている個人的な意見です。専門が神経科学だからといって、私が言う事全てが脳科学をベースにしている等ととんでもない誤解をされないようお願いします。



・単語集を丸暗記しようなんてバカなことはやめよう。 それも、英語と日本語のペアだけが羅列されているような物は最悪だ。単語集は捨てろ。たくさん読んで、用法のcontextと感動を含めて、どういう状況で使われた言葉なのかを、文を丸ごと覚えるくらいのつもりでやろう。このほうが絶対効率がいい。これはmultimedia教材でも同じこと。最近、CDやPodcast等で単語やフレーズが日本語と英語で交互に繰り返される教材を見かける(A社のキ***とか)が、英語の習得には百害あって一利なしだと思う。こういうのを聞くと、ひどい洗脳を受けているような気がして、ボクは発狂しそうになる。英単語と日本語単語の音としての連想記憶ができて何がうれしい?やめときなさい。日本のストアやサイト等にある英語教材Podcast等より、米国、UKのPodcastで生の英語だけのものを楽しんだほうがいい。iTunesストアの有料コンテンツは居住国のストアからしか買えないけれど、Podcastはどこの国のストアからでもダウンロードできる。

・純粋な英語の能力なんてものは存在しない。 いろいろなトピックについての知識とそのトピックについてどのくらい考えたことがあるかが英語力の半分はしめていると思う。 予備知識があって分かることと、英語の力で分かることとは本当は区別できない。 そんなくだらないことは英語の入試問題を作る人だけが考えれば良い。 言いたいことがたくさんあるのだけれど、英語にできないという人は半分はウソをついていると、ボクは思う。

・得意なこと、好きなこと、自分にとって大切なことを英語で読んで、聞いたらどうかな? 勉強だと思わないですむように。感動できる(あるいは笑える、怒れる)ストーリーを 読んだり聞いたりしたら、忘れようがない。物理とか生命の話を聞いて感動させられたら? 物理や化学の説明を英語でやろうとしてみよう。自分が好きな科目の内容についての英語が入試に出るか出ないかが気になるようだったら、見込みないね。英語だけじゃなくて。

・聞くこと、特に声に出して読む(自分の声を聞く)ことは大事です。 文法・規則以外の意識に上ってこない脳の機能が自動的に覚えてくれます。 理系の人の傾向として、規則で覚えたくなるかもしれないけど、それはほどほどに。 意識して、理づめで覚えることが高等なやり方だなんて勘違いはしないように。 脳はそんなにバカではない。 だれもスポーツで上達するのに本を読んで頭で理解すればできるなんて思わない。英語も同じ。全身を使って覚えるつもりでやらないと。脳科学なんて持ち出さなくても、感覚系だけでなくて運動系の脳機能を同時に使うことが大事そうなことくらいわかると思う。Vocalizationか文字を書くこと、あるいはkeyboardでタイプすることを同時にやるのがよい。スペリングなんて、半分は目が、半分は指が覚えるものだ。余談だが、アメリカの学校ではよくspelling bee contestとかいってスペリング能力を競うことが盛んだが、ボクにはあれができる人が理解できない。口だけでスペリングはどうしても出てこない。

・こういうのは効率が悪くて、受験勉強と両立しないと思いますか?ぼくの経験 からすれば、勉強と思わずに楽しくやれた分、効率はよかった。 語彙も知らないうちにえらく増えてしまっていた。

・日本の英語教育と受験戦争のせいにするな。したくなるだろうけど、 自分でなんとかしよう。受験のための英語も必要なところはやればいい。 20歳前の勉強は、あとになってなかなかできるものではない。英語に限らず今の教育に文句はあるだろうが、自分の教育に間に合うような大きな変革はすぐにはできない。ならば、少なくとも一度しか現在という機会がない自分のこの時期の教育に責任を持とう。高校生以上だったら、もういろいろ自分でわかるはずだ。日本で普通に行われている英語教育だけではろくに英語能力がつかないことは実証済み。何が必要で何が足りないかよく考えて、それもやろう。ただ、学校の宿題や授業はいやでも一応まじめにやっておこう。それ以上のことを自分で考えてやるべきだと言っているのだ。だまってStealth的にやればいい。他の人と同じように何でもやらないと不安になるようだったら、それも見込みないね。

・英語が得意だったら、英語以外のことを専攻しよう。特に、将来留学したいん だったら99%の人は英語を専攻にしてはダメ。 英語を専攻して、何を話す? 他に熱くなれることがあるでしょう?

・翻訳は他人のためにすることだ。自分のためにはならないどころか、かえって弊害が多い(次参照)。いつかほんとにやりたくなればやってもいいけれど、 今は自分が使うための英語を身に付けよう。もう明治時代じゃないのだから、翻訳を他人のためにやる人は1%もいればいい。他人が言ったことを通訳する人ではなくて、自分が言いたいことを持ち、それをarticulateに表現できる人になることを目指そう。多くの人がそれを目指すことのほうが、中途半端な翻訳ができる人が多くいるよりは、よほど世の中のためになる。今自分ための能力を磨くことが、最も多くの人のためになる。だから、今は心置きなく自分のことだけを考えてやればいい。 科学者や技術者であれば、翻訳は定年後に始めるくらいでちょうど良い。英語教育の悪癖を断ち切るためにも、もういい加減に大学入試で翻訳問題を出すのはやめてもらいたい。この点で、センター入試の英語問題は良くできていると思う。阪大の英語問題では出題者が少し気が引けるのか「〜語で表せ...」とか書いてあるが、京大は頑固に「訳せ」としている。どちらも同じ事で、もうやめて欲しい。指示の部分も英語にして、nativeでも解答できる問題になぜしないのだろう。英語はセンター試験だけでいいのでは?

・訳さないと自分で分かったかどうかが不確かで不安だというなら、それは 悪い癖がついてしまったということだ。そもそも、翻訳できたから理解できたと思うのは間違いだ。解っているか確かめたいのなら、別の方法でやることを考えよう。

  

生物工学コース4年生へ:英語論文を読みクラスでpresentationをする「生物工学」 という授業があるが、論文を一生懸命和訳し、ワープロできれいに印刷して勉強した気になっている人が時々いる。そんな自慰行為はやめたほうが良いと思う。訳して何になる?そんなヒマがあれば、もっと重要なことをしよう。自分の訳をいくら読み返しても、どうもよくわかりませんといって、ボクにまでその出来損ないの訳を読ませようとする。そんなもの、絶対見ないから。自分でもよくわからずに作った訳を、他人が読んでわかると思う方がどうかしている。わからないときは前後の原文を良く読め。それでもわからなければ、同じ著者あるいはその人がいる研究室の関連がありそうな論文やHPを見に行くのだ。日本語で何も書くなと言っているのではない。自分自身の言葉で、著者たちが何をやろうとして、どんな大事なことがわかったのか、自分は著者が言う通りで良いと思うのかと言ったことをまとめておくことは大変よい。
 
・英語は非常にverbalな言語だと思う。AudioBook (http://www.audible.com/)のマーケットが英語圏にはあって、日本には無いのが、その一つの現れではないかと思う。多くの著者が、自分の書いた本を自分で朗読してAudioBook版を出している。Richard Dawkinsは講演では自分の本の一節を朗読するということをよくやっているが、彼は自分の本だけでなく、Darwinの有名な「種の起源」までAudioBookにしている。これからわかるのは、音で伝えるということが、英語によるコミニュケーションの根底になっているということだ。逆に、音のベース無しに英語を理解しようとしても、うまくいかない。もともと、本として目で読まれる事を前提として書かれた英語であってもだ。多くの日本人が英語で壁にぶちあたっているのは、音としての英語を軽視しているからではないかと思う。いまだに中高での英語授業、音のほうはおざなりにしておいて、時間をかけるのは訳とか構文・文法の説明ばかりではないのか?ボクは科学論文をだまって読んでいる時でさえ、良く理解できる時には、頭の中で時々英語の音が聞こえているような気がする。逆にそうなる事を目指せばいいのではないか。また、それを延長すると、誰かが話すのを黙って聞いている時にも、実際には何も筋肉を動かさないように、頭の中でduetで付いて歌う感じで、でも無言でしゃべることができれば、きれいに英語を話すことの前段階になると思う。そしてそういう「余計なこと」をしながらでも、ちゃんと言っている事が理解できるかどうかが、一つの習熟度/到達度のテストになると思う。だから英語は訳すな。

・英英辞書を使え。MacOS X Tiger(10.4.x) 以上ではマウスポインタを調べたいwordの上において、Command+Control+d ですぐに参照可能。

・Googleで用例を見よう。Phraseをquotation marksで囲んで、そのままサーチすれば、どのような状況で使われているのか具体例がたくさん出てくる。

・英語は辞書を引き引きなら読めますというのは、英語が読めるとは言わない。 音読して英語らしく聞こえる読み方ができるかどうかで、どのくらい読めて理解しているのかがわかる。自分でもわかると思う(上の一つの答え)。音読しながら、内容がだいたいわかるようになることを目指そう。初めて音読した英語に涙するような経験を一回してみな。ボクの言いたいことがわかると思う。訳したり、日本語を思い浮かべる必要は全くない。著者が自分の作品を自分で朗読しているAudiobooks (www.audible.com)というのがあるけれど、 自分の好きな英語の話し方をする人を見つけて、その人の読み方、話し方をコピーしてみよう。

おすすめ:Audio and Video Programs, PodCasts, Clips in English

(理系だと特に)息抜きとして聞ける英語のプログラムのいくつかをリストしました。 ぼくが高校生の時にこういうものがあったらよかったなといつも思います。

サイト名+直接リンク
解説
Notes
1
KQED QUEST A KQED Multimedia Series Exploring Northern California Science, Environment and Nature.
2
NOVA Vodcast | PBS (WGBH Science Unit) NOVA brings you short video stories from the world of science, including excerpts from our television programs, video dispatches from producers and correspondents in the field, animations, and much more.
3

Science Friday

Making Science User-friendly, program hosted by Ira Flatow
科学者自身が話したりするので、英語は訛っていたり分かりにくいことがある。
4
TED Talks TED is a small nonprofit devoted to Ideas Worth Spreading. It started out (in 1984) as a conference bringing together people from three worlds: Technology, Entertainment, Design.
Optional multilingual subtitles
5
Nature PBS (By Thirteen/WNET)

Now in its 28th season on PBS, NATURE has featured amazingly diverse wildlife and habitats and consistently worked with the world's foremost natural history filmmakers.
英語はプロによるナレーションで、比較的ゆっくりしていて、きれいです。他がうまく聞き取れない時は、お試しを。

6
Discovery News Videos Latest developments in science news, including space exploration, technological breakthroughs, archaeological findings, animals, environmental research and more.
7
NASACast Video (NASA)
8
NASA Multimedia (NASA)  
9
TERRA: The Nature of Our World TERRA is a collaborative indie filmspace and laboratory exploring the cutting-edge of science and the farthest horizons of the natural world.
10
iBioMagazine バイオ系の先端研究者が学生/大学院生に向けたビデオマガジン:「生物学になぜ数学が大事か」、「英語学専攻から科学者に転向した理由」、「失敗から学ぶ」等、専門的な内容の解説でなく、科学に携わる者として考えさせる内容のお話。面白い内容が多い。  
------ ここから下、Advanced Content ------  
11
iBioSeminars こちらは、生物・医学系の先端研究者による専門的な内容の講義。上のiBioMagazineとあわせて、特にお薦めです。複数パートに分かれていて、内容的にはレベルが高い。  
12
FORA.tv 政治、経済、環境、エネルギー、社会問題、外交、インターネット等、いろいろな話題の講演会のビデオが多くあります。最近有料コンテンツが多くなって、ちょっとうっとうしい。 一部transcript有
13
Charlie Rose (PBS) Charlie Roseのスゴイ所は、誰でもインタビューできること。ラジオではTerry Grossも名インタビュアーとして有名だが、ゲストとして科学者はあまり出て来ない。Home page のAbout the Showから: Acclaimed interviewer and broadcast journalist Charlie Rose engages America's best thinkers, writers, politicians, athletes, entertainers, business leaders, scientists and other newsmakers in one-on-one interviews and roundtable discussions. transcript有
14
The Daily Show with Jon Stewart ComedianがやっているNewsショーです。一見、ただふざけた番組に見えるかもしれませんが、内容は普通のテレビネットワークのニュースより切れ味が鋭く、冗談に載せた真剣さがある。日本には、このレベルの番組は無いです。普通のニュースが政治家やpunditsのスピンに振り回されているのを、一刀両断にすることにより、真意や真相を分からせてしまう所が良い。20-30代の米国のcollege-educatedな若い人の中には、ニュースはこのDaily Showだけで得ている人がかなりいるそうです。実際、ニュースや解説番組をタラタラ見てられない人は、いろんな人の本心とか意図する所が良く分かる。実はボクくらいの年の人の中にも見ている人はかなりいることを知っています。  
15
Bill Moyers Journal (PBS) Bill Moyersは今のアメリカで最も信頼されたジャーナリストだとボクは思っています。残念ながら、76歳という年齢のため、2010年4月をもって、この番組を終了することになりました。Bill Moyersが上記のJon Stewartをインタビューした2007年のビデオは必見。 transcript有
16
Frontline (PBS) 主に経済、環境、社会問題等の特集番組
 
17
PBS NewsHour (PBS) 上の2つを含め、Flash GUIを使った過去のPBSのビデオコンテンツArchiveへのインターフェイス
 
18
DemocracyNow! 大メディアが扱わない問題を掘り下げることをモットーとする独立メディア。当然、左といわれる事が多い。Wall Streetが穀物市場を破壊したといった雑誌記事を書いた人のインタビュー等、が特に印象に残った。HPから:"DN! is funded entirely through contributions from listeners, viewers, and foundations. We do not accept advertisers, corporate underwriting, or government funding. This allows us to maintain our independence."
transcript有
19
Al Jazeera English 中東のカタール (Qatar) 発のメディア。米国発の番組だけではなく、別の視点も。独自取材をちゃんとやっているようで、質は高い。英語も良い。日本を取材したビデオから始めるのがお勧め。
 
20
GRITtv with Laura Flanders DemocracyNow!と似ている。これも独立メディアで広告や企業、政府、政治・宗教団体等からのお金を受け取っていないことを特徴にしている。
 


(last modified: December 4, 2010; Izumi Ohzawa)

 

 

 

 

 
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